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まずは毎日かくこと

ハロウィン

ハロウィンについて書きたいと思います。

 

年がばれるかと思いますが、自分が渋谷とかで遊んだ年頃にはまだハロウィンなんて誰も言ってなくて、遠くのお祭りなんでしょ?という感じでした。ハロウィンにかこつけて、かぼちゃのお菓子を売ったりは、もしかしたらあったような、なかったような。

7~8年くらい前も、まだそういう方向にアンテナを張ってない人種はなじみのない祭りで、会社の同僚の結婚式の二次会に呼ばれて行った青山で、仮装した若い人たちにビビッてたら、同じ会に出席する5歳くらい若い後輩がデビルちゃんのカチューシャをつけてきて(服装は普通のパーティ用ワンピ)、二度びっくりしたことがあります。

そいで、4年くらい前に渡米して、2年半ほど住んでたのですが、小さい子供もいたおかげでハロウィンは大変楽しいイベントでした。

 

ハロウィンて、基本は10/31の夜に小・中学生くらいまでの子供が仮装して菓子をねだって歩く祭りなんですけど、じゃあ10/31が平日だったらどうすんの?次の日学校じゃん、と思うじゃないですか。

やるんですよ、10/31に。月曜だろうが水曜だろうが。

ハロウィンは近所を回るのがメインなのですが、「ハロウィンの名所」的な通りがいくつかあって、そういうところは週末に開催してたりもしたような気がしますが、そういう融通の利かない感じ面白いなぁと思ったものでした。

また、日本でも最近は時々見かける、行政とかショッピングモールとかが開催する「こどもハロウィン祭り」的なものは、やはり週末でした。

アメリカでしょ?他人のくれたお菓子食べるなんて大丈夫?とも思ったのですが、「個包装の市販のお菓子を配る」という原則があるようで、アメリカ人はホームメイドのお菓子大好きですが、ここでは市販のちっちゃいアメとかチョコとかでした。

よその家のドアをノックする件については、「うちには菓子があるぞ」という目印に、当日家の前にでかいパンプキンを置きます(ちなみに、アメリカ人、パンプキンというと基本あのでかいやつを指します。絵本に出てくるものもパンプキン呼ばわりで、食用かぼちゃはスクワッシュと呼ばれていました)子供にお菓子あげる気ないよ、というときは、かぼちゃを置かなければ基本誰もノックしません。

 

子供たちの仮装ですが、日本だとキャラのコスプレが多いですが、本場はもっとバラエティに富んでいました。いわゆるウィッチとかゾンビとかだけでなく、自前の服をうまく使ってかわいい仮装をしてる子なんかは、親のセンスにうならされました。例えば、白いトップスに白いタイツをはいて、白い耳のカチューシャと長いしっぽをつけ、黒い鼻と白いひげのフェイスペイントをすれば、白猫ちゃんの出来上がり、とか。これにじゃらっとしたネックレスを首輪代わりにつけた金髪の小さな女の子とか、超かわいかったです。

アメリカには、小さい子には戦隊ものとかプリキュアに該当するような人気キャラで超かっこいいとかかわいいっていういのがあまりなくて、ディズニープリンセスとか、ダースベイダーとかはありましたが、素朴な感じするなあと思ったものでした。キャットインザハットっていう、日本でいう「ぐりとぐら」みたいな昔からいる絵本のキャラクターの仮装してる子とか、職業の制服的なのも多かった気がします。戦隊がない代わりに小さい男の子のヒーローは警官と消防士なので、それに扮する子も結構いたかも。

もう少し大きくなると、ややキャラに寄ってきます、アベンジャーズとか、バービーとか。小さい頃から毎年仮装しているので、ティーンの仮装はだいぶ凝っていて、更にお友達とお揃いとか、レイヤーさんでいう「あわせ」とか、そういうのもあるみたいです。その年ごろの女の子はかわいらしさを求めてなくて、セクシーとか、ガチで怖い路線を狙う子も多々いて、Facebookに上がる友人の娘さんの傷メイクが年々生々しくなるので面白いなあと思ってます。

 

職場のアメリカ人に「日本のハロウィンは、大人が仮装してバーに飲みに行く祭りだ」と言ったらだいぶびっくりされましたが、大人が仮装して練り歩くことはあまりありません。子供に同伴する親は、気分を盛り上げるために(まあ、みんなお祭りは大好きなので)仮装をしてたりもします。あと、お菓子を配る大人もノリノリの人はドラキュラだったりしてました、で、ガチすぎて幼児が泣くとか。

せっかくのお祭りなのに、飲みに行かないの!?と思うじゃないですか、飲むんですよ、家で。有名な通りの住民たちは、行列をなす子供にお菓子を配りつつ、ビールを飲みながら庭でバーベキューとかしてました。アメリカ人はみんな比較的(個人の感想としては、すごく)子供が好きなので、ちびちゃんたちの仮装をつまみに、さらに肉食ってビール飲んで。親的にはそっちのほうがうらやましかったです。

 

近所で回ってもよいのですが、慣れない我々にはちょっと怖かったので、一年目は超名所に行って歩きました。雰囲気は十二分に味わえて満足(売ってるわけじゃないのにバーベキューのにおいが通りに蔓延している。そして、飲んでる家からクラブミュージックががんがん聞こえてくる)でしたが、人が多すぎて子とはぐれそうにはなるわ、やっぱりものすごい数の子供が押し寄せるのでコスト面からもらえるお菓子がチープでおいしくなかったり。

二年目は、子が通っていた保育園のそばの小さい通りに、保育園終わりにみんなで仮装して行きました。消防署が消防車を開放してくれて、子供たちを乗せてくれたり、ややこじんまりとしてるので、もらえるお菓子もハーシーズとかおいしいやつで、一緒にスティッカーくれるしで、大変よかった(子供は万国共通シール好き。アメリカ人は特に「子供といえばスティッカー」なので、トレーダージョーズってスーパー行ってもスティッカーくれるし、パトカーに手を振ったら近づいてきてスティッカーくれたりしてました)

 

今では日本でも比較的ハロウィンがポピュラーになってきて、保育園のイベントでコスチューム着て出かけたら、近所のお店の人がお菓子をくれたり、というあたたかいイベントもあります。

 

でも、10月になると、もう、とにかくアメリカのハロウィンシーズンが懐かしい。

まずは、ハロウィンのためのかぼちゃを調達する「パンプキンパッチ」というめちゃくちゃ楽しくてかわいいかぼちゃ畑を訪れるところから始まります、だいたい9月の終わりから10月いっぱい。基本はただのかぼちゃ畑で、必要なかぼちゃを買うのがメインのはずなのですが、かわいい案山子がたくさん飾ってあったり、藁でできた迷路で遊んだり、乾燥コーンのプール(ボールプール的な)に入ったり、ろばが引いてくれる車に乗って畑を一周したり。結局カービング(彫るやつ)をやれるような大きなかぼちゃは一回も買わず、手のひらサイズをいくつか飾ったくらいでした。今思うと、やっておけばよかった。

で、ハロウィン当日は、前述の通りの大賑わい。配る方もちょっとやってみたかったけど、オンタイムには自分も子供を連れて外出しているので実現せずでした。仮装はちょっとやった、子供がきかんしゃトーマスの服を着てたので、背広着ておもちゃのシルクハットを被っていたら「あ!あんたあれでしょ!?トーマスの!?名前なんだっけ!?でも似合ってるよ!」と、大人がめちゃ声をかけてくれるのもうれしかったです。

そして、ハロウィン後には、もう一つのハロウィン。

メキシコに「死者の日」という、お盆のようなイベントがあるのですが、これがハロウィンの直後なのです。屋外に、亡くなったご先祖の写真をたくさんのマリーゴールドの花で飾って、ゆかりのある服や食べ物や飾りなどと、キャンドルをお供えして偲ぶ、初盆のような儀式を最初の年だけでなく毎年行うのです。とはいえ、ヒスパニックの陽気な雰囲気もあり、ご先祖の好きだったレゲエとかを流していたりもして、にぎやかでもあり、しめやかでもあり。

近所の公園は、周囲にヒスパニックの方が多かったこともあって、メッカになっていて当日は圧巻の光景でした。亡くなった方をいつまでも大事に近くに感じていられる、いいお祭りだなあとしみじみしたものです。

相変わらずハロウィンは好きだけど、この時期に一番強く思い出すのは、むせかえるようなマリーゴールドの香りと、ゆらめくたくさんのキャンドルの灯りのような気がします。